長野県公立高校入試のしくみ
長野県の公立高校入試には、2月上旬に行われる「前期選抜」と3月中旬に行われる「後期選抜」があります。
2025年春の入学者選抜から、新制度導入により選抜方法が変更となりました。
2025年度入試の変更点は長野県教育委員会HPでご覧いただけます。
前期選抜
希望すれば誰でも出願ができる「自己推薦」形式です。
志願者は志願理由書(または自己PR文)を提出します。すべての実施校で面接、一部の実施校で作文(小論文)や実技検査を実施します。2025年はそれらに加えてすべての実施校で5教科の学力検査を行います。出題範囲は中3の12月までの基礎的な内容となっており、検査Ⅰ(国社英)45分・検査Ⅱ(数理)30分の予定です。
後期選抜
5教科各100点満点の学力検査と調査書45点満点(中学3年時の内申点)の相関で選抜を行います。一部の高校では、作文や実技試験を実施したり、傾斜配点(指定教科の配点を倍にするなど)を行ったりします。
また、2025年からはすべての高校で面接を実施することになりました。前期選抜と同じような「対面による面接」、または面接シートを用いた「紙上面接」を通して、主体的に学ぶ姿勢を確認されます。
入試日程(2026年度)
前期選抜 |
志願受付 |
2/2(月)~2/4 (水) |
選抜実施日 |
2/9(月) |
入学予定者の発表 |
2/18 (水) |
後期選抜 |
志願受付 |
2/25 (水) ~2/27 (金) |
志望変更* |
3/2(月)~3/5 (水) |
選抜実施日 |
3/10 (火) |
入学予定者の発表 |
3/19 (木) |
*1度だけ志望学校、志望課程または志望学科(部)を変更することができます。
各学校の選抜内容や、選抜日時について、詳しくは長野県教育委員会のHPでご覧いただけます。
2024年長野県公立高校入試 ≪出題傾向と対策のポイント≫
2024年の入試問題・解答は、長野県教育委員会のHPでご覧いただけます。
国語
大問No. |
分野 |
配点 |
1 |
説明的文章 |
漢字読み6問、記号選択3問、記述70~90字 |
31 |
2 |
表現 |
記号選択4問、記述55~65字 |
18 |
3 |
漢字 |
漢字書き3問(誤字訂正) |
9 |
4 |
古典 |
記号選択2問、現代仮名遣い、記述30~40字 |
18 |
5 |
文学的文章 |
記号選択4問、記述30字以内、50~60字 |
24 |
- 近年は読ませる量・書かせる量がともに増加傾向にあります。素材文や資料にある多くの情報を整理し、与えられた条件を守って制限字数以内に収める練習が必要です。短い言葉で必要な内容をまとめるためにも、日頃の学習から語彙量を増やしておきましょう。
- 記述問題以外は記号選択・書き抜き問題。本文をしっかり理解しないと判断に迷うような記号選択問題が増加傾向。
- 漢字の誤字訂正問題がすっかり定着しました。漢字自体は易しいものが多いので、ケアレスミスで失点しないよう注意しましょう。
数学
大問No. |
分野 |
配点 |
1 |
小問集合 |
計算、作図、二次関数、確率、箱ひげ図 |
36 |
2 |
資料の整理・回転体 |
記号選択2問、記述1問 |
22 |
3 |
関数 |
二次関数の出題なし |
23 |
4 |
図形 |
記述1問(証明問題) |
19 |
- 平均49.0点に対して、大問1・2だけで58点分。基本的な問題を確実に得点できるようにしておきましょう。一方、定番の考え方や解法を記述する問題も健在です。何度も練習して、正しい記述の書き方を定着させましょう。
- 大問2の資料の整理・連立方程式も頻出。近年では珍しい回転体に関する出題がありましたが、難易度は高くありませんでした。
- 大問4は例年高難易度の出題。残り時間がわずかな状況では解答を導くのにどうしても時間が足りない場合が出てきます。時間配分と問題の取捨選択が高得点のカギを握っています。
社会
大問No. |
分野 |
配点 |
1 |
歴史総合問題 |
記号選択10問、用語1問、記述1問 |
29 |
2 |
地理総合問題 |
記号選択6問、用語4問、記述6問 |
35 |
3 |
公民総合問題 |
記号選択7問、用語2問、記述6問 |
36 |
- 与えられる資料が多いので、膨大な情報を漏れなく処理できるかが得点のカギです。
- 歴史は時代ごとではなくテーマごとの出題。歴史全体の流れや背景を押さえながら覚えましょう。地理は地域別テーマがトレンド。今年度は「長野と沖縄の連携」がテーマでした。公民はSDGsに関する出題が増えています。
- 記述問題が全体の4割を占めます。そのうちのほとんどで語句の指定がありましたので、どのような解答が求められているのかを予想して記述することが大切です。多くの問題に触れ、正答例をたくさん参考にしながら解答の型を作っていきましょう。
理科
大問No. |
分野 |
配点 |
1 |
生物(植物、食物連鎖) |
用語3問、記述2問 |
25 |
2 |
化学(科学反応、水の電気分解) |
用語1問、化学反応式、記述1問、計算2問 |
25 |
3 |
地学(地層、天気) |
用語2問、記述4問 |
25 |
4 |
物理(力、光) |
記述3問、計算2問 |
25 |
- 例年通り、生物・化学・地学・物理の各分野から1題ずつの出題となっています。身近なテーマにからめて理科の基礎知識や原理・原則を問う問題中心の設問構成になっていて、4分野バランスのとれた基本問題重視型学習が得点力アップにつながります。
- 実験の方法や実験結果の原因を説明する記述問題は対策の差がハッキリと出ます。中学校3年間で扱った実験は一通り復習をしておきましょう。
- 計算ミスによる失点は禁物!答えが出た後は必ず確かめをして確実に得点しましょう。
英語
大問No. |
分野 |
配点 |
1 |
リスニング |
記号選択(最終問題のみ記述)、1度読みと2度読みが混在 |
20 |
2 |
対話文・文法・英作文・資料読み取り |
語形変化2問、条件作文(3語以上)2問 |
29 |
3 |
読解(短文3つ) |
英作文1問(20語以上) |
24 |
4 |
読解(長文1つ) |
記述2問 |
27 |
- 問題構成に変更があり、大問3と大問4が入れ替わりました。時間がかかる長文読解が後ろに回ったことで例年よりも解きやすく感じた受験生が多かったのではないでしょうか。
- 英文読解が出題のメイン。文章の内容についての出題が多いので英語の知識だけでなく読解力が求められます。
- リスニングで昨年に続き記号選択以外の問題が出題されたことをはじめ、記述問題が増加傾向です。最優先は単語力アップと基本文法の定着、その次に5語程度の短い英文が書けるような練習が効果的です。